NHK大河ドラマ「八重の桜」で、会津藩に伝わる『什の掟』が紹介された。それは「ならぬことはならぬものです」に代表される、まさに会津人の精神▼各回最後の〝八重の桜紀行〟で、会津若松市では今の小学生にも『什の掟』を教えていることが紹介された。同市が歴史のまちである由縁は、何も鶴ケ城があるからではない。こうした郷土の歴史を大切に伝える風土があるからだ▼先の弊社ふるさと出版文化賞授賞式で、磐城平藩士の子孫でつくる平安会の松村耕三会長が語った。「いわきは郷土史に対する認識が非常に乏しいのではないか」と▼氏は続ける。「会津や二本松では小学生のときから郷土の歴史を教え込む。いわきはこれが足りない。したがって歴史を認識する子どもがいない。その人たちが大人になっていく。(郷土の)歴史を学ばない・忘れた・奪われた人々には郷土愛もめばえない」と。まさにその通り。こういう声を大にしてもっと市に届けないと。