4月30日は「平成の大みそか」なのだそうだ。この日のテレビでは、美智子さまが当時の皇太子さまとのご成婚により、民間人として初めて皇室にお入りになった際につづられた美智子さまのノートをもとにしたドラマが放送される▼昭和33年の〝ミッチーブーム〟、34年のご成婚、35年の浩宮徳仁親王ご出産と続く中、美智子さまがどんなお気持ちで皇室の一員として過ごしていらっしゃったか、東宮女官長ら周囲の人たちによってつづられていく▼美智子さまのドラマ化。原作は番組が独自入手したこのノートの写しだという。であれば、美智子さまはこのことをご了承なさったのだろうか、と余計なことを心配してしまう。民間人初の〝皇太子妃〟〝皇后〟という重責を全うされ、今まさに重い肩の荷を下ろすことになる最後の日に、苦しい胸の内を明かしたノートの内容がドラマとして演じられる。制作者の〝思い込み〟がドラマに反映されていないことを願うばかりだ。
片隅抄