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片隅抄

2019.08.27

子どもの頃、夏休みになるといとこの家を泊まり歩いた。もちろん、その逆もあったが今考えると、いい経験ではあった。その一つに、鹿島町船戸があった▼当時、夜などは静まり返り、家の窓から見える小山が不気味に感じたものだ。24日発生した鹿島町久保地内の崖崩れは、まさにその山だった。登ったこともないため、規模は知らずじまいだったが、空撮写真からは意外な広さが確認できた▼だが、鹿島街道に流れ出た土砂のみならず、大きな岩石に驚いた。夜間時ではあったが通行人、車両などが直撃を受けたら、大惨事は免れなかったろう。もっとも付近の住宅、商業施設は被害、またはそれに近いダメージを受けている▼平、小名浜を結ぶ本市の大動脈で起きた災害。まさに身近に潜む危険が現実になった。山、崖崩れは人里離れた地区だけに起きるわけではない。原因はまだ特定されていないが、あの震災を念頭にいま一度、危険箇所の総点検を急ぐべきだ。

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