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片隅抄

2019.9.28

「やるじゃないか、市立美術館も」と思わずニヤリとした▼開催中の「ジョルジュ・ルオー展」に続いて、11月9日から12月15日まで「美を競う肉筆浮世絵の世界」が開かれる。興味をひく芸術展があれば、それが東京・上野公園の東京国立博物館でもいそいそと出かけるのがファンの常。浮世絵ファンの抄子は、車で約2時間、栃木県の茨城県境にある歌川広重の肉筆浮世絵を多く収蔵する那珂川町馬頭広重美術館に足しげく通っている。それが今回は、地元の美術館で見られるのだからありがたい▼市立美術館といえば国内外のすぐれた現代美術を多く収蔵し、展覧会を開く美術館として高い評価を受けている。だが、目の肥えていない抄子では抽象画などの現代美術を理解するには荷が重い▼その美術館で北斎・広重・国芳といった江戸時代に活躍した一流の浮世絵師たちの作品を展示する。浮世絵など市民受けする日本画の展示を、これからもたまに開催してほしいと思う。

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