自然災害に備えて事前に対策を立てていても、時としてその予測を超えることがある。それが今回の台風19号だ▼中部、関東甲信越、東北などを暴風雨に巻き込んで北上を続けた台風19号は、各地に甚大な被害をもたらした。いわきでは12日昼ごろから雨、風が強くなり、夜半にピークを迎え、その後宮城県へと去っていった▼翌日は台風一過、太陽も久しぶりに顔をのぞかせたが、収穫目前のいわき耕土は、コメや野菜などの農作物に大きな被害が出た。各地で停電、断水が相次ぎ、河川の氾濫によって交通網が寸断された。浸水した家もあり、市民は後片付けに追われている。避難所も開設され、被害に遭われた市民は避難所で不自由な生活を強いられている▼自然災害はいつ起きるか分からない。それだけに災害予測、行政の対応力にも限界があり、地域や個人ができる限りの備えをし、防災、減災に努めたい。週末は雨の予報、くれぐれも二次災害にはご注意を。
片隅抄