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片隅抄

2019.12.2

母校・泉中の校章は<立葵>である。江戸時代に泉藩を治めた本多家の家紋に由来する。卒業して47年。校舎も制服も周囲の風景もすっかり変わったが、校章はそのまま伝統を守っている▼その2代藩主・忠籌公が隠居後、飢饉など非常用に設けた郷倉(穀物等の備蓄倉庫)や自身の廟所を建てる候補地を視察するために、現在の泉町から田人町荷路夫までを往復する2泊3日の旅程を記した『こその枝折』の足跡をたどるバスツアーに参加した▼紀行文の合間に忠籌公は感興にまかせて俳句を詠んだ。いわば、いわき版「奥の細道」だ。死後200年余りたち、忠籌公が見た風景は一変したが、紀行文に綴られた跡には記念碑がたち、殿様に関わった領民の子孫が健在で、かつて歩いた道も確認できた▼忠籌公の足跡をトレースしながら、沿線の歴史と風土に触れるいい機会だった。個人ではこうはいかない。泉城跡では、立葵が緑色の葉に初冬の日差しを受けていた。

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