「1 年を20日で暮らすいい男」とは江戸時代、大相撲の興行が10日間ずつ春秋の2回だけ行われていたから。15日制で行われる現在の年6場所90日間と比べると随分のんびりしたものだった▼69連勝の双葉山のころは年2場所(11〜13日制)だったから、この大記録は昭和11年から13年まで足かけ3年を費やした。が、63連勝と迫った白鵬は平成22年のわずか1年で達成した▼二・二六事件や日中戦争があった戦前とは比較できないが、それでも今の力士は忙しすぎる。体重超過で内臓疾患やケガをしやすい体質となり、その傷めた体を癒やす間もなく次の本場所が来て、その間地方巡業にも駆り出される▼本場所数を増やして日本相撲協会の収入増につながったが、力士に無理をさせているのは明らかだ。大相撲の性質上、新型コロナウイルスに感染した力士が出た今、もはや夏場所を開く選択はない。クラスター(集団感染)の危険性は目に見えているのに何をためらう!?
片隅抄