15日は終戦記念日。広島( 6日)、長崎(9日)と原爆忌が続く8月は、お盆と重なり祈りの月だ▼抄子の母親は戦争体験者。戦時中、米軍機に機銃掃射された時の恐怖は今でも忘れられないと言う。8月に入ると幾度となく語られる話だ。戦争の悲惨さが身に沁みている世代だからこそ、この国が再び戦火を交えることがないよう、繰り返し話してくれているのだと思う▼そんな母親もよわい92。終戦から75年が経ち、戦争を知る人たちは次々とこの世を去っている。抄子を含め国民の大半が戦後生まれ。日本人の戦争に対する考え方も徐々に変わり、戦没者慰霊祭ですら遺族の高齢化を理由に縮小する自治体が増えている▼だからと言って過去の過ちを風化させてもいいということにはならない。戦争の惨禍を二度と繰り返さないよう、次の世代へ歴史の教訓を伝えることが残されたものの責務と考える。母親が亡くなった後は抄子が母親の思いを子や孫に伝えたい。