この春、市内の高校を卒業し、東京の専門学校への進学が決まっていた姪が、入学を辞退し、いわきで仕事を探すことになったと、知人から話があった▼もちろんコロナの影響だ。収束のきざしさえ見えない状況で、考えに考え抜いた結論なのだろう。希望に胸を膨らませていた本人の胸の内を考えると心が痛んだ▼こんな状況になって1年が経過した。飲食店を始め経済に与えた影響は計りし得ないが、学校関係に及ぼした影響を見逃してはいけない。努力の末に勝ち取った大学合格。希望に満ちた学園生活を送るはずだった新入生。東京では入学式どころか、1年間一度も大学に足を踏み入れていない学生がほとんどだ▼ワイドショーでは連日、最高、最多の連発で感染の恐怖を煽る。気の緩みを抑えることを狙っているのは分かるが、感染は悪のような錯覚を植えつけてはいないだろうか。差別を恐れての自殺者も出ている。報道の在り方を見直すことをする必要があろう。