小名浜地区の農村で暮らして62年。わが集落には、適性などお構いなしに、1年ごと順繰り引き継がれる区内会の区長、区長代理、会計があって、春から、その手始めの会計になるよう先輩からご託宣があった▼となれば再来年は区長である。町によっては〝長期政権〟の自治会長や区内会長さんがおられるが、根っからのリーダー気質の持ち主なのだろう。その使命感に頭が下がる▼わが集落では水田をつぶして広い宅地が分譲され、農村の一角に新しいまちができた。これからの区長の手腕の見せどころは、旧来の農家の住民と新しいまちの人たちとをどう融合させるかだ。家屋が建っているのは6~7割だが、これからどんな課題が表面化するのか混沌としている▼いやその前に、数百万円を受け持つ会計の係を明朗に勘定できるかそれすら心もとない。器にない人間が順番だからと重役を負う。そんな悩みをもつ人はほかにもいると思うが、どう解決していくのだろう。