第103回全国高校野球選手権福島大会は日大東北が18年ぶり8度目の優勝で幕を閉じた。光南との決勝は最終九回、本塁打で同点に追いつかれながらも、その裏、サヨナラで決着。今夏での勇退を決めた監督への花道を飾った▼一方、いわき勢は第1シードの東日大昌平が準々決勝で日大東北に敗れ、最高位は8強。平成7年夏の磐城以来、夏の甲子園から遠ざかっている。先ごろ、昭和46年夏、磐城を監督として、甲子園準優勝に導いた須永憲史さんが逝去した▼79年の生涯を野球にささげた須永さんを支えた妻久子さんから、数枚綴りの資料を見せていただいた。そこには過去、指揮を執った東日大昌平が甲子園出場するため、自身の経験を踏まえた指導要領が書かれていた▼生前、娘さんから、「ここまでやったんだから、見守ったら」と言われても、須永さんはグラウンドに足しげく通っていたという。これからは天国から、いわきの高校球児を見守ってほしい。
片隅抄