「ハンカチ王子」の愛称で、一世風靡した斎藤佑樹投手がプロ球界を去った。早実時代、平成18年夏の甲子園決勝での駒大苫小牧との延長十五回引き分け再試合の末に優勝。早大進学後も東京六大学野球のスターだった▼眩いばかりの光を浴び続けていたアマチュア時代とは一変、プロではけがに泣かされた。思うような結果を残せず、33歳の若さでユニフォームを脱いだ。だが、引退会見で斎藤投手はこう答えた。「野球を通して素晴らしい方々に巡り合えた」▼弊社黒獅子旗争奪市中学校新人軟式野球競技大会は泉の優勝で幕を閉じた。来春定年を迎える古内崇前監督は監督の背番号「30」を後進に譲り、コーチとして、ベンチで試合を見守った▼4年ぶりの黒獅子旗奪還。優勝のスナップで、しばらくタイトルから遠ざかっていた選手たちが顔をこわばらせる中、自ら輪の中に入り、緊張をほぐした。信頼がチームを強くした。県舞台での活躍に期待がますます膨らむ。
片隅抄