言うまでもなく自転車に乗るのに免許証はいらない。だから運転のルール、マナーを学ばずして誰でも公道を走ることになる▼自転車はふつう歩道を走れず、標識があっても歩行者が優先だ。それなのに歩道を当たり前のように走るのが日常的になっている。83歳の老人が自転車にはねられて死亡したばかりだが、先日も杖を突いたお年寄りの後ろから自転車が近づいて、「どけろ」と言わんばかりに乱暴にベルを鳴らしていた▼自転車運転では見通しが悪くても、車のような一時停止や徐行の意識がまずない。日暮れが早い今は学校帰りの高校生に要注意だ。歩道を挟んで車道と敷地内を出入りするとき、何度か暴走する自転車と出合い頭に衝突しそうになった▼歩道を走って見つかって、法令違反で「３カ月以下の懲役または５万円以下の罰金」を課せられることはまずないだろうが、不注意からケガをさせた、させられたで賠償責任が発生する。走る凶器だと自覚すべし。
