師走に入り今年を総決算する季節になった。コロナで始まりコロナで終わる。一言でいえばそんな年だった。オリンピックの年でもあり、スポーツ界においても開催自体の判断から観客数の問題まで考えなくてはいけない異常事態だった▼感染も一段落した先月、プロ野球日本シリーズが開催された。昨年最下位チーム同士の頂上決戦は、歴史に残る好ゲームとなった。そんな試合で注目すべきシーンがあった▼第4戦の七回、打席に入った青木選手に投じられた一球の判定は死球。なんと青木選手は自らファールだとアピールし、結果内野ゴロに倒れたのだ▼ホームランを打った時の、いやそれ以上の拍手が場内に沸き起こった。中には、当たってもいないのにアピールする選手や、ショートバウンドで捕球したのにグラブを高々と上げてアピールする選手もいる。判断を下すのは審判だが、本人が一番よくわかっていること。青木選手の行動にフェアプレーの本質を見た気がした。