鎌倉幕府の実権を握った北条氏を描く大河「鎌倉殿の13人」。平清盛の大河は途中で熱量を失い挫折したため、再勉強すべく資料をめくりながら注意深く物語を追っている▼娘がちょうど鎌倉幕府成立に至る歴史を学んでおり、〝自主勉〟に付き合う形で先日も平家物語の古文と合わせ、朝廷と武士を巡る覇権争いをかみ砕いて解説した。が、同姓の登場人物が多く四苦八苦している▼近年、幕府成立は頼朝が全国に守護地頭を置いた１１８５年説が有力で、娘も先生からそう教わったよう。そこで抄子の世代は将軍に就任した１１９２年を幕府成立の年とし「いい国つくろう」の語呂で暗記したものだと教えると、不思議そうに首をかしげた▼歴史に限らず学びは常に変化してるんだよ、と。「そういえば〇〇の先生、覚えきれないようで教科書が棒読みなの」。思わず苦笑したが、新学習指導要領に沿った教科書に目を通すと、その理由が分かる。今の教育現場は大変だ。
片隅抄
