新型コロナウイルスの感染が国内で広がってから2年が経過した。さまざまな対応策が行われながらも、一時的なダウンを除き、終息にはいまだ至っていない▼先月27日に本県で適用された「まん延防止等重点措置」も期限が延長される見通しになっている。すでに市内でも公共施設などの利用制限が行われているが、現時点では館内空間にゆとりのある所は従来通り催事が開かれている▼その一つに市立美術館がある。先月21日から第51回市美展が開催され、きょう18日から「陶芸の部」「写真の部」が始まった。閉塞した状況ながら、創造性をもって作品を発表する熱意に敬意を表したい▼本展で個人的に気になったのが、写真の部の審査員に田沼武能さんの名前があったこと。かの土門拳と写真界で双璧をなす木村伊兵衛の弟子であるが残念ながら体調不良のため任に就かれなかった。応募145点の中から、仮に田沼さんが賞に選んだ視点に興味は尽きない。