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片隅抄

2022.03.11

東日本大震災発生から、きょうで11年。月日は容赦なく流れるが、想像を超えた時間に身を置いた者としては、あの出来事を忘却の彼方にというわけにはいかない▼震災が起きる少し前、家人が非常袋の準備をしていた。「今から用意してないとね」と言いながら、簡単な食物などを詰め込んでいた。それを見て、せっかちなどと揶揄したものだが結果的には、こちらの認識の甘さが露呈した▼災害では、まず身を守ったあと、生き延びなければならない。あの震災体験から最低限の食料、飲料水を確保することが必定となる。振り返れば11年前、各スーパーなどは被災した市民のため、尽力してくれた▼その一つに多くのチェーン店を有する企業がある。最近、ある地区の店舗が同系新規店オープンのため、閉じる予定と聞いた。現在ある場所は市営団地などがあり、古くからの住民が多く、買物には手押し車の高齢者が目に付く。継続を願う声は多く、それだけ親しまれている。

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