大人になったら何になりたい?幼児とコミュニケーションを図る際の常とう句だ。記憶をたどると、最初の答えは確か「ウルトラマン」だった▼世代的には「ウルトラマン80」だが、再々ぐらいの放送に釘付け。色あせた写真には、赤白の運動帽のツバを中央に立ててかぶりスペシウム光線のポーズをする幼き日の抄子が映る。家には〝ソフビ〟の怪獣がたんまりとあった▼先日、新作を見にポレポレに足を運んだ。じっくり映像作を見るのは40年ぶりか。現実と空想入り混じる独特の映像美と演出、往年のファン納得の出来映え。庵野秀明の作品はほぼ目を通しているが、これでもかというほどの愛を強く感じた▼円谷英二監督の故郷で、M78星雲光の国と姉妹都市を結ぶ須賀川市では、7月10日の「ウルトラマンの日」に合わせ、シン・ウルトラマンを特別上映する。あすまで、ウルトラマンから手紙が届く企画も実施中。観光資源として、これ以上のものはなかなかない。