いわき市では先月、アニサキス食中毒予防対策実施宣言を出し、食品関係事業者や消費者に注意を促した▼というのは、3月末現在ですでに昨年1年間の発生5件を超える、7件もの食中毒が発生しているからだ。幸い抄子は未経験だが、魚を生業にし、趣味でしめ鯖を作り何度も被害に遭っている知人は「全然大丈夫。1日や2日我慢してれば収まるから」。いやらしい笑みを浮かべ、暗に食中毒の大変さを伝えた▼先日、アニサキスが急増しているのは終宿主のクジラに起因している、との報道があった。エサとなる魚がアニサキスの卵を食べ、体内で幼虫に。それを捕食し、アニサキスはクジラの体内で卵を産んで排出。この連鎖の頂点の絶対数が増えたことが、要因だというのだ▼昔のように捕食すればいいだろう、というのは早計すぎる。冷凍、加熱、雷レベルの電圧をかけるという最新の処理方法もあるが、命をいただいている以上は人間が注意をするしかない。