超大型の台風11号は、沖縄、九州、西日本の一部を暴風域に巻き込み、広範囲にわたって大雨、洪水などの被害をもたらした▼幸い本県は台風からは難を逃れた。台風被害で記憶に新しいのは令和元年の東日本台風。市内では複数の河川が氾濫し、多くの家屋が床上床下浸水、インフラにも支障が出た。台風が去ったからといって安心はできない。大雨で地盤が緩んでいる場所もあり、土砂崩れなどの二次災害にも要注意だ▼東日本大震災以降、地震、台風、豪雨といった自然災害に対する備えの重要性が高まり、市、地域単位での防災訓練が活発化した。ここ数年はコロナ感染拡大を受け、訓練中止が相次いでいる。コロナ収束が見通せないだけに中止も致し方ない▼ただ、コロナ禍でも自然災害は容赦なく襲ってくる。家族で避難経路の確認など、日ごろから災害について話し合いを持つことは大事。秋は台風シーズン。事前の備えを怠らず、自らの命を守りたい。
片隅抄