大型で強い勢力の台風14号は18日に九州地方に上陸、各地に爪痕を残しながら本州を縦断した。広島県では4年前の西日本豪雨を前例に最大級の警戒を呼び掛けた▼この激甚災害では大規模な土砂被害が発生し多くの住民が犠牲となった。粒が細かく雨水で大規模な浸食を受けやすい、花崗岩が風化した「真砂土」が土石流を引き起こしたとされる。東日本台風時、田人地区では国道289号沿いで大規模な土砂災害が発生した。地質を調べると、まさに真砂土だった▼国は土砂災害を受けやすい特殊土壌に覆われた地域(主に西日本)を指定し、対策を重ねているが、近年頻発する〝今まで経験したことのない〟降雨までは防ぐことは難しい▼本県では阿武隈山地に広く真砂土が分布している。低地でなく高台に住み家があるから安心だ、ではない。あらゆる災害を想定し、身を守る手段を考えておく必要があるだろう。近所や避難経路の地質を理解しておくのも役に立つ。