高倉健さん主演の映画「駅 STATION」。刑事にして五輪代表候補にもなる射撃の名手。いくつかの事案の中で、金融機関を襲った強盗事件があった。出前持ちに扮した高倉さんが一瞬の隙をつき、犯人2人を射殺する▼現場にいた犯人の母親が「警察の人殺し~」と絶叫。その声を背に立ち去っていく。公開は昭和56年だが、その2年前に国内を騒然とさせた出来事があった。大阪市の旧三菱銀行北畠支店で発生した人質・強盗事件である▼犯人の男は2日間にわたり籠城。その間に警察官、行員の計4人を猟銃で殺害するなど、当時としては稀にみる凶悪犯罪だった。これを機に防犯カメラ設置を含む対策が強まったと記憶する▼先日、年末を前に市内の銀行で強盗模擬訓練が行われた。何度か取材経験はあり、想定内と分かっていても緊張が走る。侵入から逃走まで約3分間、この後の通報とカメラ解析が検挙の明暗を分けるという。あってはならないが、備えは大切だ。