徳川家康、徳川家康……年末年始はテレビを見ても書店に行ってもこの名前が浮塵子(うんか)のごとく目にちらついて離れなかった▼明日から始まる今年のNHK大河ドラマが『どうする家康』であることから、NHKが過剰なくらい番宣を繰り返し、出版社も便乗して多くの〝家康本〟を世に送り出した。もちろん作品の舞台となる静岡県をはじめゆかりの地では経済効果を期待してあの手この手で観光PRに躍起だ▼これだけ社会に大きな影響を与える番組も珍しい。テレビドラマに映画並みの名だたる役者たちを起用して、毎週1回1年間続けて放送できるのもNHKならではだろう▼「菊人形展」の主要テーマを長らく続けた大河ドラマから離れた二本松市の例もあるが、映画『大河への道』のように、オラが街でも大河の主人公を……と郷土の偉人たちを思い浮かべるのも無理はない。それにしても、同じ俳優が違う配役で何度も起用されてはいまいか気になって仕方ない。