80歳を超えてもローテーションを維持するか。謝礼金を支払って専任制度にするか。それともいっそのこと廃止するか▼農村の集落には「農政部」という自治組織がある。水田を〝健康〟な状態に維持するため各農家がお金を出し合い、時にはスコップや草刈り機を使って用・排水路の清掃や農道の整備などを行う。オラが村の田んぼをみんなで守る、という共助の精神が先々代、先代と長く受け継がれてきた▼昔なら父から子へうまく農業の世代交代ができたが、時代が変わると代替わりがすんなりいかなくなった。そうなると同じ顔触れで農政部の活動を維持しなければならなくなる▼実際、隣の集落では農政部を廃止した。すると水田の維持管理は個人に委ねられる。何か問題が起きてもだ。冒頭の三択はその旗頭となる「農政部長」のなり手が詰まってきたのが発端。高齢化と農業の担い手不足は深刻だ。田畑の耕作放棄地も増えている。さて、どの道を選ぶべきか。