新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられるまでひと月を切った▼具体的に何が変わるのか。「3密の回避」は引き続き推奨されるが、3月に緩和されたマスクの着用は個人の判断に委ねられ、感染者や濃厚接触者の外出自粛要請などはなくなる。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置、飲食店への時短要請も出されることはない▼大きな変化のひとつといえば、医療費。治療薬は〝当面の間〟全額公費負担となるが、診察、入院は自己負担が生じる。入院は高額療養費制度を適用し、2万円減額についても9月末までと限定的▼医療現場は今まさに移行に向けた準備に追われていることだろう。ただ、3年の長きにわたり我慢を強いられた慣習を変えていくのはそう簡単ではない。「大丈夫だ」と言われても、小心者だけに抄子は急にマスクを取る勇気がわかない。志村けんさんを亡くした衝撃が未だ消えていないから。