7年ぶりに本国で開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)が、21日に閉幕した▼電撃訪問したゼレンスキー大統領が同日夜、自身のSNSに投稿した「放射能で世界を脅かす権利は誰にもない」との言葉通り、覇権主義的な動きを見せる中露へのけん制に主題が置かれるなど、複雑化する国際情勢を象徴するような内容に終始。核軍縮を加速させる機運醸成は遠く、日本被団協は「核の傘の下で戦争をあおるような会議だった」と評した▼福島の食材が提供されたことに対し、韓国で物議を醸しているとの報道も気になった。「(大統領が県食材を)食べなければ外交的に無礼となるが、食べれば国内で批判される」というのだ。原発処理水の海洋放出計画に対する強い反発と依然として続く輸入禁止措置が背景にあるが、何ともやるせない▼G7首脳の訪問が実現しなかった長崎の落胆も心に響く。〝被ばく者〟への配慮が足りない、何とも残念な3日間となった。