満身創痍の1横綱1大関が必死に土俵を守らざるを得なかった角界が、ここにきて活気を呈している▼霧馬山、豊昇龍、若元春、大栄翔らの大関争いをはじめ、大関から三段目まで陥落しながら再入幕して優勝争いを演じた朝乃山、土俵をわかせる名脇役の翔猿と宇良、38歳の鉄人・玉鷲、204cmの北青鵬と個性的な力士が顔をそろえた▼11勝ほどが毎場所の優勝争い、元幕内力士の溜り場となっていた十両にも落合というスターがいる。今年1月に初土俵を踏んだ19歳は昨日まで12勝1敗の好成績で、結果次第では名古屋の7月場所に、デビューからわずか4場所で新入幕するかもしれない。解説の北の富士さんイチ押しの熱海富士も20歳で11勝2敗だ。下からの突き上げが上位に刺激を与えている▼180、190kgという太り過ぎ力士が多い中で140、150kgの力士が活躍している。均整がとれた筋肉質の雄姿は見ていて美しい。土俵に新時代到来の匂いがする。
片隅抄