住宅街が茶色い水に覆われた様子は、4年前に平窪で見た光景と同じだった。記録的な大雨に見舞われ、広範囲が浸水した秋田市では、全体の約4分の1で住宅被害にあった推計が示された▼2日にいわきFCの試合を取材するため、秋田市に足を運んだばかり。名物の稲庭うどんに舌鼓を打ち、一進一退の「東北ダービー」に、思わずシャッターを切る手に力が入ったことは忘れられない。冠水した秋田駅前のロータリーの写真に言葉を失った▼市は21日から、災害ごみに関する初動期のマネジメント支援に向けて、秋田市に職員を派遣する。秋田市は東日本台風の際、いわき市に職員を送っており、その恩返しの意味もある。被災地のニーズに応じ、復旧の助けになってほしい▼秋田駅周辺で発生した水害は、下水道や水路から排水しきれない雨水があふれる「内水氾濫」とされている。今年も出水期を迎え、いわき市でも改めてハザードマップの確認が求められる。