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片隅抄

2023.08.18

セミの声より先に梅雨明けし、体に堪えるほどの酷暑が続く今年の夏。新型コロナの5類移行に伴い、令和元年を最後に中止、規模縮小された催しが4年ぶりに再開され、にぎわいの度を高めている▼先月15日の海開きで始まった、いわき夏まつりも20日の「夏井川流灯花火大会」でフィナーレを迎える。この間、中止や規模縮小を余儀なくされた小名浜での花火大会、平の七夕、内郷の回転櫓盆踊りなどが通常日程で行われ、大勢の人で埋め尽くされた▼まつりのあとには一抹の寂しさが漂う。取って代わるには、ややこじつけだが舞台鑑賞もよい。9月3日、いわきアリオスで松竹大歌舞伎が開かれる。上演は11年ぶりで、演目は「土屋主悦」など▼父坂田藤十郎、母扇千景を持つ四代目中村鴈治郎が主悦を演じる忠臣蔵外伝。討ち入り当日、隣家から高張り提灯を掲げ、浪士を援護したとする日本人好みの脚本。館内に花道を設け、歌舞伎の醍醐味を存分に伝える。

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