時間がたつにつれ、台風13号の被害の大きさが分かってきた。被害は住宅にとどまらず多方面にわたる▼中でも農家の落胆は大きい。収穫前の水田に多量の土砂が流入、稲刈りができない水田も。台風は天災だが、人災によって生活の糧を脅かされているのが漁業関係者。先月末から福島原発処理水の海洋放出が始まり、中国では日本の水産物の輸入制限が強化された。行政には天災人災に関係なく手厚い支援をしほしい▼支援と言えばガソリン価格の高騰を抑えるため、石油元売り会社への補助の延長が決まった。ガソリンの値上がりは家計に響くだけに、延長はうれしい。ただ補助は緊急措置で中身は税金からの支出。いずれは国民に税負担という形で跳ね返ってくることは必至▼物価高騰の中、国民は創意工夫でこの苦境を乗り切ろうとしている。国もこれまでのように増税一辺倒ではなく、国民と同じようにやりくり上手の知恵を身に着けてはどうか。