グオーンと音を立てる2両編成のディーゼルカー。車窓の阿武隈高地と相まって、磐越東線はローカル線としての魅力を伝える▼全国的にローカル線が赤字に陥っており、磐越東線も例外でない。いわき―小野新町駅間は2022年度、1日平均乗客数(輸送密度)は203人。輸送密度1千人未満の線区は存廃の議論が求められるが、いわき市など沿線自治体では、存続に向けて利用促進を図る方針だ▼市は17日、いわきFCのホーム最終戦に合わせ、11月4日に磐越東線を活用し、山形戦の応援企画を実施すると発表した。市は山形と往復するモデルを示すが、帰りはどうしても郡山で、1時間半の新幹線待ちが生じる▼利用促進には、使いやすいダイヤ接続も必要だろう。かつては快速「あぶくま」も走っていた。本年度は、実務レベルでアイデアを出していく計画のほか、住民に向けたアンケートの実施も予定する。自治体をまたいで、磐越東線を盛り上げてほしい。