能登半島地震の避難所で、飼い猫を抱きかかえる避難者の映像が映し出された。可愛らしさにほだされたのも一瞬、避難が求められる災害が再び発生したら、わが家の愛猫とどう避難するか、家族とあれこれ話になった▼というのも原発事故では、ペットとの突然の別れを余儀なくされた被災者が相次いだ。置き去りにされ多くのペットが犠牲になり、〝幸い〟野良として生き抜いたペットが、後に保護されるも事例も少なくなかった。例え同行できたとしても、避難所ではゲージに入れたまま。鳴き声やにおいで迷惑を掛けられないと、車内で自主避難を続ける人も。飼い主としては切実な問題だ▼市は昨年11月、ペット同行の避難訓練を初めて実施した。が、「いやそうじゃない」と、思わず声を漏らした飼い主も多かったのではないか▼どう逃げる、ではなくペットと一緒にどう避難生活を続けるか、に視点を置いてほしい。人命優先は分かるがペットも大切な家族だ。