1404(応永11)年、下野国守護小山氏の一族・小山政朝が、軍功で菊田庄上遠野郷を受領したことから、その子孫が上遠野氏を名乗った。室町時代末期には岩城氏の勢力拡大に伴い、その支配下に入る。江戸時代は棚倉藩と天領に分けられた▼そうした歴史を持つ遠野地区では、今春から上遠野と入遠野の小・中学校を統合し、新たな「遠野小」「遠野中」が誕生した。目を引くのは校章が一緒な点。山々に囲まれた学校を表現しており、温かみのある文字で「遠」と書かれ、周りを緑色に包まれている▼校歌も小・中で共通となっている。鮫川水系をそ上するアユの姿や、上遠野氏の居城だった八潮見城址が歌詞に登場し、美しいハーモニーで彩る。作詞は福島市の詩人和合亮一氏、作曲は多くの合唱曲で知られる新実徳英氏だ▼新たな学校にかわいらしい1年生29人が加わった。少子高齢・人口減少が進む中で、この子たちが未来の遠野、そしていわきを担っていく。