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片隅抄

2024.06.18

能登半島地震が起きて半年が過ぎ、報道各社では特集を組んで〝現地の今〟を伝えたが、液状化でぐにゃりとうねり曲がった道路と電柱、家屋を見てあ然とした。発生時と全く変わっていない▼袋中上人が開山した菩提院で先日、東日本大震災の犠牲者の鎮魂と復興への願い、子どもたちに光をあてる祈りの行事が催された。震災の月命日に合わせ、県内各地で行われているキャンドルナイト▼主催者のキャンドル・ジュンさんは、発生直後から鳳珠郡能登町を拠点に復興支援を続けており、時間を割き〝能登の今〟を伝えてくれた。震災時に比べ復興や支援が進まず、報道の多い輪島と違い、ほかの奥能登の被災地域は遅れが顕著だという▼行政の発信不足と偏向報道に一部要因がある、と指摘した。震災の時もそうだったが、次第に全国に向けた報道は少なくなる。目に触れる機会がなければ、関心が薄れてしまうのは当たり前のことだ。地域紙のジレンマもそこにある。

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