言論・表現の自由と報道のあり方は、洋の東西を問わず議論となる。先日も鹿児島県警が情報漏洩を巡って、同県警に否定的なウェブメディアを家宅捜索し、取材資料を押収するできごとがあったと報じられた。公権力がどう報道と対峙(たいじ)するかは、常に考えていくべきだ▼身の回りでも残念なことがあった。市役所記者クラブで行われた会見に、市の職員が断りもなく同席していた。その上で出席した社をチェックして報告させていた。会見する団体に許可を得ていたと弁解したが、過去にもあったとされる▼記者クラブというと、閉鎖的な空間と感じる方もいるかもしれないが、いわきに限れば、しっかり手続きすれば加盟社以外も会見等に参加できる。弊紙が幹事社の際にもそうして受けた事例は数多い▼ときに行政を批判する関係者が会見に立つこともある。記者クラブは、こうした人たちを社会とつなげる場でもある。〝自由〟を委縮させる行動だったと自覚を。