久しぶりにプロが奏でる金管楽器の音色を聞いた。去る14、15日にアリオス大ホールで開かれた「絆」音楽プロジェクト・ウィーンによる公演に足を運んだ▼ウィーン在住で、いわき市出身のピアニスト酒井ゆかりさんが夫エーリッヒさんと東日本大震災を機に立ち上げた支援団体が活動の終止符を打つことから、いわきの有志が実行委員会を作り、2つの公演を催した▼思えばエーリッヒさん率いる世界的金管五重奏団「アート・オブ・ブラス・ウィーン」公演は、本社創業50周年を記念した平成8年に当地で最初のコンサートを開いている。続く同12年にも再公演され、今回が3度目24年ぶり▼メンバーの入れ替わりがあったものの、卓越したテクニックはこちらの耳に心地よく残った。遠く欧州から故郷を思い、支援の輪を広げていった活動もピリオドが打たれるが、2日目の「絆コンサート」でプロの彼らと共演した若い人たちが意思を継ぎ、羽ばたくことを期待したい。