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片隅抄

2024.11.16

創業した平の田町から小太郎町へ、そして今は郷ケ丘や若葉台と隣り合う常磐上矢田町へと、社屋が平の中心市街地から少しずつ離れながら紙齢を積み重ねている▼仕事でたまにJRいわき駅周辺に行くが、車を走らせながら見る街の風景は、何の変哲もないマンションやホテル、保険会社や銀行などのビルだらけになって、もはやここが『いわき』だという気配を感じるすべがない▼高齢者になった目には、今もヤン・ヤンこと平駅ビルと隣の住吉屋のうにめし弁当、駅前の藤越のツインタワー、雨でも平気なアーケード、日本一の密度だったと疑わない個性豊かな喫茶店の数々、大黒屋デパート(スーパーではない)の5階催し会場や屋上の遊園地、本町通りにあった釜屋や伊勢屋など蔵造りの老舗などが懐かしく浮かぶばかりだ▼先日、初めて行った栃木県栃木市の、昔からの風情を大事にするまちづくりには心が安らいだ。車から降りて、歩いて楽しいまち。いわきなら…?

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