運転免許証の更新時講習でDVDを見せられる▼ストーリーは大抵、飲酒運転をして多くの人を不幸のどん底においやったドライバーが主人公だ。幸せいっぱいの光景が死亡事故をきっかけに暗転。イヤミス小説のように、加害者・被害者の家族や同僚なども巻き込んで繰り広げられる悲しみと怒り、後悔のドラマは、見終わった後も後味が悪い▼郡山市の繁華街で22日早朝に起きた酒気帯び運転による死亡事故。被害者は大阪から郡山にある大学の選抜試験を受ける予定の19歳の受験生だったという。本人の無念はもちろん、遠く大阪にいるご家族の悲しみは計り知れない。運転していた34歳の会社員はともかく、加害者側にもこれから謝罪や賠償などで重い十字架を背負わされる人たちがいる▼道路沿いに花が供えられていることがあるが、その中には取材で覚えている不幸な死亡事故現場もある。どれだけ車の安全性能が向上しても、要はドライバーの心がけ次第なのだ。