大河ドラマの「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」が人気らしい。これまで戦国や幕末の世を題材にすることが多かったが、本市にも縁ある金栗四三、東京五輪に焦点を絞った「いだてん」を節目に、これまで光を浴びてこなかったテーマに切り込む傾向が強い▼べらぼう、って何ぞやと調べると、まさかの蔦屋重三郎。喜多川歌麿や東洲斎写楽、曲亭馬琴じゃなく、蔦重かい、と多くの歴史ファンがツッコミを入れたのではないか。稀代のヒットメーカーではなく、送り出す側を選ぶところが何ともにくい▼江戸文化の仕掛け人、現代風にいえば出版プロデューサー。賄賂政治家と教わった田沼意次が商業に力を入れたからこそ、蔦重が花開いた点も見逃せない▼物語は序盤も序盤。これから絶頂期に向けて〝イケイケドンドン〟となるのだろうが、やはり山場は出版統制令が発令された寛政の改革か。福島県民としては、松平定信がどう描かれるのかが、気になって仕方ない。