待ちに待った蹴春到来。一喜一憂しながら箱型のテレビの前に陣取り、巨人戦や千代の富士の一番を食い入るように見る昭和の親父のごとくスマホと向き合う▼「何だ、そのパス」「ライン上げろよ！」「よっしゃ、ナイスディフェンス！！」。ペン片手に仕事を忘れて大声を出す令和の親父に、娘たちもあきれ気味。冷ややかな目で「うるさいな」とつぶやき、居間を離れる▼まだ始まって３戦しかたっていないが、不甲斐ない戦いに令和の親父はご立腹だ。昨季は前線と中盤の小気味よい連動に加え、時折光る個人技に心が躍った。タラレバはご法度だが、勝てる試合を落とさなければ……との思いは今も強い。今季への期待は大きいだけにジレッタイことありゃしない▼きょう、あのサガン鳥栖を迎え撃つ。清水や磐田と相対したときと同じような、何とも言えない高揚感を覚えるのは抄子だけじゃないはず。今度こそ今季初白星を。今節もスマホにかじりつく気満々だ。
