ありがたいことに、66歳になっても退職することなく好きな仕事に関われている▼若いころは取材先の学校長や警察・消防の署長、議員さん、部活動の監督などみんな年上で、容貌や話の内容から年齢差を感じたものだが、今や彼らのほとんどは年下で、天皇陛下さえ1歳半の違いがある。ところが子どもの頃からの肩書へのイメージが定着していて、今も頭が上がらない▼たまに知り合いや知り合いの家族が載る、新聞に折り込まれるお悔やみ情報をチェックすることが毎日の日課になっている。享年の多くは90代で、100歳を超える故人も少なくない。長寿社会の一端を顧みる思いだ▼喪主はたいてい長男だが、故人が90以上でも夫が務めることもあるようで、そのご夫婦の深い縁というものに思いをはせるのだ。『関白宣言』の歌詞にもあるが、幸せな人生の終わり方だろうと思う。これから70歳に向かって何があるかわからないが、いい年の取り方をしたいと思う。