昨年末、長年通った理髪店が諸般の事情から閉店した。若い時は毎月１回だったが毛髪量の変化とともに、その間が少しずつ広がり、今では３～４カ月に１回程度、お世話になっていた▼閉店１カ月前、なじみのスタッフから、その話を聞いた時、「次はどうするか」と少し不安になった。不思議なことだが、男性の場合はあまり店を替えないのである。幸いにも、こちらの勤務地の近くに店を持つと聞き、ひとまず落ち着いた▼先日、伸び切った髪を切るため、予約を入れたのち店を訪れた。色々話をするうち、旧店の常連さんは他店に散り、かつて足しげく通ってくれたお客さんの一人は、いまだ来てくれないという▼これまでの雇われの身から、経営者へと今までとは環境がまるで変わってくる。料金を聞いてみると、旧店に比べ税込み３８０円増だった。値上げしたのではなく、前が安かったのだ。会計時、チップ気取りに渡していた釣銭が１０分の１になった。
