平等権の考え方は古代ギリシャまでさかのぼり、近世に入っては1776年のアメリカ独立宣言や、1789年のフランス人権宣言で、法の下の平等の保障が盛り込まれた▼日本国憲法では第14条に「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」とある。平等と口にするのは簡単だが、多様性が尊重される世の中ではより真剣に考える必要がある▼20日投開票の参院選で躍進した参政党は、独自の憲法構想案を公表して「創憲」を訴える。その中には現行の憲法に明記されている平等権や表現の自由、黙秘権などがない。参政党は「すべて国民は、主体的に生きる自由を有する」とあるため、これらを包括すると主張する▼参院選ではいわき市でも参政党が一定の支持を集めた。時代が変われば価値観も変わることは否定しない。ただいま一度立ち止まることも大切だろう。