いわき市内の各地では夏から秋にかけ、五穀豊穣や大漁、疫病退散、家内安全などの祈りを込めた三匹獅子舞が奉納されている。抄子が暮らす団地は昭和半ばに山林を造成したため、自治会が子ども神輿を恒例行事として実施しているものの、郷土芸能自体存在していない▼三匹獅子舞を初めて目にしたのは、記者活動のなかで。地域により踊りの振り付けや演目、楽人のお囃子に違いがあり、大変興味をそそられた。合間に激しい棒術を繰り広げる地域も▼内容から地域の歴史や風土、人の繋がりが分かり、大いにその後の取材活動に役立っている。念仏踊りと同様、超少子高齢化を背景とした後継者問題から、社会の課題も浮き彫りに▼江名では小学校の協力を得て、〝スポ少〟のような手法で郷土芸能を継承している。郷土愛を育み、世代を超えた交流の機会を創出する。今の時代に即した素晴らしい情操教育の場だ。本番は30、31日。子を持つ親に、特に見てほしい。