公立中学校で部活動を地域主体とする「地域展開」が進んでいる▼吹奏楽ではこうした動きに合わせ、県の連盟といわき支部に加え、いわきアリオスが全国でも珍しい文化ホールの立場で加わり、2023年度から「いわき吹奏楽アカデミー」を開始し、本年度も来年3月の本番に向け、8月から月1回の練習を行っている▼磐城高や勿来工業高などを全国大会に導いた実績を持ち、アカデミーを熱心に指導した根本直人さん(今年3月に急逝)からは、ことあるごとに地域展開の重要性を説かれた。「小・中学生が吹奏楽をやる機会を作らないと、いわきから吹奏楽が無くなってしまう」▼磐城桜が丘高の東日本学校吹奏楽大会、磐城高の全日本吹奏楽コンクールと取材し、改めてその姿に心打たれた。多くの生徒は小学校や中学校の時に、吹奏楽の持つ魅力と出会っている。この環境を絶やさないよう、本格的な地域移行を見据え、現場に対する理解がより求められる。