きっかけは2022年11月、四倉でオーガニックコットンを栽培する友人からの依頼だった。首都圏の中高生に向け、震災・原発事故について話をしてほしいと。ありがたいことに、そこから毎年呼んでいただき、いまでは中高生が同世代を被災地に招くツアーに協力している▼首都圏の中学・高校と五井平和財団(東京)によるプロジェクト「GOALs~学校協働SDGsチャレンジ~」。今年11月のスタディツアーには10校の生徒・教職員ら約60人が参加し、この14年の動きとともに、除染土の県外搬出や燃料デブリの取り出しといった廃炉への道筋を語った▼生徒たちからは矢継ぎ早に質問が飛んでくる。放射性物質を巡る基本的な知識に始まり、避難指示解除と住民帰還についてや、県産品の安全性など多岐にわたった▼震災・原発事故から間もなく15年。災禍を知らない世代が、自分なりに理解しようとする姿に心が震えた。何かの助けになったのならば幸甚だ。