早いもので今年も残すところ20日余り。毎年のことだが、こちらは通常業務と年末作業に追われる日々が続いている。インフルエンザもやや下火というが、体力の落ち気味の時は注意しなくてはならない▼年の瀬にかかる古典落語『芝浜』。酒好きで、日々の仕事に身が入らない男が夜明けの浜辺で財布を拾う。家に帰り、どんちゃん騒ぎで盛り上がるが亭主の身を案じた奥さんがすべて夢だったと告げる▼オチは、ご存じの方も多いと思うが、最後は真面目に生きるしかないというものだ。先日、ある金融機関での強盗模擬訓練を取材した。初めてではないが、犯人役を務める警察署員の迫真の演技には毎回凄みを感じた▼１分半の状況が終わってからも見守る同業他行の行員さんを含め、ただならぬ雰囲気が漂っていた。トクリュウなる無法集団の強盗犯罪も落ち着きを見せているがツールを使った特殊詐欺による被害は減らない。愚行の行きつく果ては塀の中である。
