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いわき昆虫記

ふるさと自然散策・いわき昆虫記106

キショウブの根元で産卵中のクロスジギンヤンマ

初夏の木陰ある池で産卵中

 いわきの野に夏鳥ホトトギスが渡って来て、「トッキョキョカキョク」と大きな声で鳴いた。初夏の季節を迎えて活気づいた生きものたちを探してみよう。
 小川町の山裾に広がるビオトープ、「めだか農園」を訪ねた。湿生植物の繁茂した大小の池や周囲の水田では、カエルが合唱中。水辺をセグロセキレイが歩き、アオサギが狩りをしているのは、餌となる小動物が豊かだからなのだろう。
 カワセミが覗き込んでいた池の中を、希少な野生のメダカ「ミナミメダカ」が泳いでいたので眺めていると、背後から、1匹の大型のトンボが羽音を立てて舞い下りて来た。
体長8㌢ほどでがっしりとした体型をしている。キショウブの茂みの根元あたりの水面すれすれのところをせわしなく飛び回り、水面に浮かぶ小枝に止まると間もなく腹部を水中に差し込んで産卵を始めたようだ。腹部を振動させながら水生植物の茎の中に産卵管を差し込んで卵を産み付けている。この産卵中のトンボは、ヤンマ科の「クロスジギンヤンマ」だった。
 ギンヤンマに似た黄緑色の体色をしているが、胸部には2本の黒い筋があり、腹部が黒っぽいのですぐ判る。湿生植物の繁茂した木陰の多い池沼などに生息し、夏に多いギンヤンマの出現に先駆けて、初夏に成虫が羽化する。本来、関東地方以南に棲んでいた南方系のトンボだが、近年北上して、北海道南部にまで分布域を拡大しているのだという。
 ここで産み付けられた卵は2~3週間ほどで孵化し、ヤゴ(幼虫)は水中の小動物などを食べて育つ。クロスジギンヤンマのヤゴの餌食になってしまうのは、絶滅危惧種のミナミメダカなのか。

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