いわき市勿来町の民家で85歳女性が殺害され、室内が物色された強盗殺人事件について、現場周辺ではスーパーマーケットの名前をかたって、貴金属買い取りを持ちかける訪問が相次いでいたことが8日、いわき南署に設置された捜査本部への取材で分かった。捜査本部は強盗殺人事件との関連を慎重に調べている。
殺害されたのは、同市勿来町窪田町通一丁目、無職小松ヤス子さん(85)。事件は、別居する長男(58)が3日午後7時ごろ、母親と連絡が取れないことを不審に思い、実家を訪ねて発覚した。小松さんは背後から、鈍器のようなもので殴られたとされる。
これまでの捜査を総合すると、3日昼過ぎから夕方ごろにかけて、自宅で何者かに襲われたとみられる。
捜査本部によると、事件前日の2日には、「来週マルトでバザーを開催するので、いらないバッグやブローチ等の貴金属を買い取らせてください」とする男が、同署管内の住宅を訪れていた。スーパーマーケットのマルトでは、バザーの予定はなく、この他にも複数回にわたって、同じような訪問があったことが確認されている。
何者かが住民の資産の情報を集めるため、買い取り業者を装っていた可能性もあるという。
<いわき南署に「中学生」から声届く>
「警察さんへ 早く逮捕してください」。1枚のメモが7日朝、いわき南署にひっそりと届けられた。差出人には「いわき市 中学生」とのみ書かれ、登下校が怖いとする率直な思いと、防犯カメラを付けてほしいとの願いがつづられていた。1月に起きた山田町の殺人事件と、3日に発覚した勿来町の強盗殺人事件を受けての声とされる。
結びには「お花あげて下さい」とあった。捜査関係者はこの気持ちに応えようと、2件の現場に花を供えた。中学生の飾らない本音を前に、同署幹部は「どちらの事件も犯人を逮捕し、必ず解決に導く」と誓った。
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