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原発事故・いわき市民訴訟 仙台高裁は国の責任認めず 賠償額は一審上回る

 東京電力福島第一原発事故を巡り、市民1337人が国と東電を相手取って、慰謝料など計13億5037万円を求めた訴訟(通称・いわき市民訴訟)で、控訴審の判決が10日、仙台高裁で言い渡された。
 小林久起裁判長は国の責任を否定した上で、一審・地裁いわき支部の判決に続いて、東電の賠償責任を認定し、計3億2660万円の支払いを命じた。
 一審の計2億431万円から増額されており、国の賠償基準「中間指針」で、昨年12月に示された第5次追補の水準を上回る賠償となった。
 地裁いわき支部の判決では、原発の安全性確保のため、「技術基準適合命令を発令する義務を怠った」と国の違法性を認めた。一方で昨年6月に最高裁が同種の集団訴訟に対して、国の責任を否定しており、その後の高裁判決は初めてとなるため、下級審としての判断が注目されていた。
 原発事故を巡って、小林裁判長は、国が東電に津波対策を命じていれば「重大事故が起きなかった可能性は相当高い」と指摘。ただ津波対策に関しては幅があるとして、必ず重大事故を防げたとは断定できないとも強調した。

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